巧詐は拙誠に如かず

※この記事は2024年4月30日にX(Twitter)に投稿した記事です。

世間はGW真っただ中ですが、介護・福祉業界は法改正後初の請求で「てんやわんや」ではないでしょうか? 自分も色んな資料を確認していましたが、若干「諦め」が先行していました。

気分転換に学生の頃に読んでいた中国古典を読み直すと、正に「温故知新」故きを温ねて新しきを知るところであります。
最近は「キングダム」で有名?になった韓非子ですが、人間不信の哲学(性悪説)として名高い方ですね。そんな方が残した名言で「巧詐は拙誠に如かず」という言葉があります。

韓非子はいわゆる論客として色んな王様に自分の考えを説いて回るのですが、ただの「言葉」で伝えても誰も話を聞いてくれないので、「例え話」いわゆる事例を用いて王様にお話を聞いてもらう訳です。
その中で「巧詐は拙誠に如かず」も、もちろん「例え話」を使って王様に話を聞いてもらっているわけです。

・「巧詐」
どっかの国の将軍が、攻め込んでいる国に息子を人質に取られました。
将軍が構わずに攻め立てると、息子を料理にされて送り届けられました。
将軍は息子の料理を食べて一気に攻め滅ぼしました。
みんな「凄い」と将軍を褒めましたが、王様はその後将軍を重宝しませんでした。
「なんで?」と部下が尋ねると、「自分の息子を食うやつだから、きっと俺だって食うだろう」
これが「巧詐」(巧みにあざむくこと)。

・「拙誠」
どっかの国の王様が鹿狩りに行きました。
射止めた子鹿を子分に取りに行かせると、親鹿が見守っています。
子分はかわいそうになって、子鹿を逃がしてあげました。
王様は怒って子分を追放しましたが、後に戻して重要な「子守り」に任命しました。
「なんで?」と部下が尋ねると、「鹿に慈悲を与えるんだから、うちの子にも慈悲を与えてくれるだろう」
これが「拙誠」(下手ではあるが誠意があること)。

この「例え話」を話して、韓非子は王様に説くわけです。故に曰く「巧詐は拙誠に如かず」と。
(「巧みにあざむくこと」は、「下手ではあるが誠意があること」には及ばないと)

これを韓非子(性悪説)が説いていることに驚きですね。これって捉え方によれば、性善説だと思います。ただ性悪説の韓非子が、こんなことを言ってることが大事だと著者の「守屋洋」先生は記述していました。

学生時代を思い出し感傷に浸っていましたが、「守屋洋」先生が現在どうされているか気になり検索すると、91歳でご存命とのこと。2009年から出版は無いようですが、こんな情報がすぐに調べられる現代って素晴らしい。

本を買わなくても検索すれば調べられる現代ですが、本屋さんで自分の欲しい本を必死に探していた当時の思い出も大事だったなぁと思う今日この頃です。

取り合えず請求関連も「拙誠」の気持ちで取り組もうと思います。

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