批林批孔(ひりんひこう)

※この記事は2024年5月1日にX(Twitter)に投稿した記事です。

武田鉄矢さんのラジオ「今朝の三枚おろし」で、2022年北京オリンピックの内容に触れていました。

「儒教?今の中国がそれを出しちゃあダメだよ!だってあなた達は否定してたじゃないですか。孔子や中国の古典を!」

まったく、その通りだと思います。
そもそも今の中国の思想は、「中国古典の思想」ではありません。
レーニン・スターリンの「共産主義思想」です。そうなってしまった経緯に毛沢東の「文化大革命」があります。

毛沢東が中国を支配する政治闘争の際に、自分の思想「毛沢東思想」を国民に植え付けるため、色んな思想洗脳を行いました。
そのひとつにお題の「批林批孔(ひりんひこう)運動」があります。

この「批林批孔運動」とは中国に昔からある思想、いわゆる儒教と呼ばれるもの、その代表者である「孔子の教え」を否定する運動でした。

目的は単純、毛沢東の思想で国民を染めるためには、過去にある中国の思想は邪魔、だから否定、無かったことにしてしまおうというものです。

これはナチス・ドイツの焚書、ポルポトのクラシサイド等、似たような事例はたくさんありますが、実は中国にもあります。「始皇帝」の「焚書坑儒」です。

なので「批林批孔」では始皇帝が素晴らしい人物と評価されました。おおよその中国古典では、才能は素晴らしい人物であるだろうけど、ちょっとね・・・という評価だった人物です。そのなかで儒教、特に孔子はボロクソに叩かれました。

そういった経緯もありまして、今の中国に「中国古典の思想」は皆無と言っていいでしょう。
近年、彼らの自己中心的な思慮や行動を見ると、いかに儒教とかけ離れているか残念に思います。

そんな儒教ですが、世界での認知度・評価は高いのです。影響を受けた有名人でいえば「ナポレオン」、日本人なら最近話題の「渋沢栄一」でしょうか。
そういう意味では中国発祥のワールドワイド。なので北京オリンピックで利用したのでしょう。
そこで武田鉄矢さんは「あなた達は否定してたでしょ?」と疑問を投げかけた訳です。

最近は「中国の思想」というだけで拒否反応をしめす日本人も多いと思います。なので「中国古典」と題すだけでも結構な勇気が必要です。現に関連項目に「習近平」さんとか出てきますし・・・。

長文になりましたが、要は「中国」と「中国古典」は「似て非なる者」と説明したかっただけでした。
まったく蛇足ですね。

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