この長期デフレ(失われた○十年)の原因の一つ「生産活動が労働に集中し過ぎ」ですが。
その状態で、テクノロジーの進歩による「労働需要の減少」が起こりました。
ネット通販が一般的になると、リアル小売店や卸売業者は以前ほど要らなくなります。
スマホ一台で何でもできるから、固定電話だけでなく時計やデジカメ、ゲームその他要らなくなります。
で、日本人はそのまま国内で別の仕事を探そうとしますが、これにより「労働者の供給過剰」が起こります。
労働者の供給過剰が起こると、それが賃金の下落の一因になります。
しなみに、スイスのような陸続きで国民が多言語を操れるような労働者は、国外に流出します。
ただし、より直接的で最大のものは、合成の誤謬により起こったデフレスパイラルです。
以下②~⑥を繰り返すもの。
① 労働の需要が下落し、労働者は供給過剰となる
② 労働者の賃金が下がり、使えるお金も下がる
③ 労働者が節約するので、物が売れなくなる
④ 売り手は価格を下げてでも売ろうとする(物価が下がる)
⑤ 下げた価格の中には、人件費が含まれる(賃金が下がる)
⑥ 上記②に戻り、繰り返す(繰り返す度に物価も賃金も下がっていく)
失われた○十年のきっかけは、バブル崩壊時に金融政策の誤りがあったことも大きいです。
恐ろしいことに、当時の日銀総裁はインフレ対策をしてしまったんですねー。真逆です真逆。
当時は「インフレは怖い」かつ「デフレは机上の学問であり得ない」のが常識だったので。