新田です。
パリオリンピックが開催され、日本のメダルラッシュもあり、日本にとっては良いニュースが続く毎日ですが、同時に悪いニュースも所々目に入ります。
まず誤審…というか審判の問題。
学生時代に柔道をやっていたこともあり、私個人としては納得できない判定が多いですね。
詳細は省きますが、この誤審の話題を目にするだけでイライラしてしまうので、テレビのチャンネルを変えたくなります。
柔道だけでなく、バスケでも怪しいジャッジがあったと聞くと、なかなかに見るに堪えません。
バスケに至っては、相手がフランスというところも憤りを感じる要因かも知れません。
まあ寛容な目で見れば、過去のオリンピックもホーム有利なジャッジが多かったとして、ある程度のアウェイ判定は仕方なしかもしれません。柔道はスペインでしたけどね…まさか北欧ホームジャッジ?
次に競技とは関係ない問題…主に開会式。
開会式のマリーアントワネットの生首、レオナルドダヴィンチの最後の晩餐を多様化(?)した演出。
音楽は好きなんでマリーアントワネットの演出は「まあ」って思いましたが、やるんなら別のイベントでどうぞって感じでした。百歩譲ってもオリンピックでやることじゃない。
最後の晩餐は、キリスト教じゃないんで「こんなことしても良いんだ」くらいで見てましたが、後々のニュースで「キリスト教を愚弄している」って怒られているところを見ると、やっぱり自分の感性は正しかったんだなぁと思いました。
他にもセーヌ川の汚染問題、選手村及び観光客を狙った窃盗問題、過去に性犯罪で有罪判決を受けた選手の出場…など。
ちょっと競技に関係ない問題が多すぎますね。
最後にオリンピック…平和の祭典の問題。
ウクライナのフェンシング女子選手:オリガ・ハルランさんが銅メダルを受賞しました。
しかし、この件で色々と話題が出ています。
ハルランさんは試合後のインタビューでこう話しました。(一部抜粋)
「祖国のためのメダルで、ウクライナを守る人々のためのメダル」
「ここに来られなかった選手たち、ロシアのせいで亡くなった選手のためのメダル」
「私たちはどんな状況でも戦争に関連してウクライナで起きていることを気にしている」
「このメダルが祖国に喜びや希望をもたらすことを願う」
「ウクライナは絶対に諦めないというところを見せるだろう」
この発言に対してIOC(国際オリンピック委員会)がどういう反応を見せるかが注目されているそうです。
なぜなら、IOC憲章第50条はデモや政治的・宗教的・人種的扇動をオリンピック競技場や施設などで絶対に許さないと規定しています。
なのでハルランさんの発言が「政治的表現」の範疇に入るかが注目されているとのこと。
戦争に関係ない国、取り分け日本人に取っては、おそらく大多数の人が興味を持たない話でしょう。
しかし当事者にとっては重要な問題だと思います。
そもそもオリンピックは「平和の祭典」ではなく「代理戦争」として扱われてきた歴史があるからです。
余談ですがIOCは「オリンピックは平和の祭典」とは言っていません。
「オリンピック憲章」にそれっぽい言葉が書いてあることと「オリンピック休戦」があるので、一部のメディアが「平和の祭典」と謳っているだけのようです。
〇オリンピック憲章
オリンピズムの目的は、人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進を目指すために、人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てることである。
なかでも「オリンピック休戦」は大事なテーマです。
オリンピックに参加する国は戦争を止めなければならないので、オリンピックが「平和の祭典」となっていると言っても過言ではありません。
しかし、この「オリンピック休戦」を3回も破っている国があります…それがロシア。
2008年北京オリンピック(夏季)期間中にジョージアに侵攻
2014年ソチパラリンピック(冬季・ロシア自国開催)閉幕の2日後にウクライナのクリミア半島を併合
2022年北京オリンピック(冬季)閉幕の4日後にウクライナに侵攻(まだ戦争中)
国連安保理の常任理事国で、自国がオリンピック休戦決議の提案国、あるいはオリンピックの開催国だったにも関わらずです。
これだけ約束を破っておいて「ロシアを参加させないパリオリンピックは最悪」とくだを巻いているのはちょっと…ちなみに個人資格の中立選手(AIN)としてロシアから15人参加していますけどね。
なにを言いたいか?
つまりロシアは平和の祭典を利用して3回も他国に侵攻しているのである。
これで平和の祭典とはお笑い草です。
もちろん悪いのはロシア。
だが利用されたIOCがロシアに対して及び腰なのが個人としてまったく気に入らないし、ひょっとしたらお仲間?と思えるアクションを繰り返しているように見えるから困ってしまう。
こちらとしては、そういう感情を抜きにして観戦したいのですが。
だがロシアだけではありません。
ミュンヘンオリンピックでは、パレスチナのテロ組織「黒い九月」がイスラエル選手団を人質に取り、結果的に人質全員が死亡する大惨事も起きています。これは今現在も進行中である中東問題が根っこにある問題でもあります。
これだけ蚊帳の内外が騒がしいのが現在のオリンピックなのです。
これを「平和の祭典」と呼ぶのは、なかなかに厳しいところがあります。
いっそのこと「これはスポーツに置き換えた代理戦争、なので本物の戦争はやめましょう」ぐらいのほうが「祭典」としては盛り上がるのかもですね。
オリンピックは、オリンピック貴族を潤すための集金イベント、というのは前から言われてたことです。
せめて審判は公正なジャッジをしてくれたらいいんですが。。。