ちょっと前にミュージシャンのMVで、「コロンブス」が色々と問題になった話がありました。
昭和と平成を生き抜いた『おじさん』が学校で教わったコロンブスは、
「アメリカ大陸(新大陸)発見」
「コロンブスの卵(発想の転換)」
「勇気あふれる偉大な冒険者」
といったイメージでしたが現代では全く違う評価をされているみたいですね。
学校の教科書も段階を経ながら少しずつ改変されてきたそうです。
まず「アメリカ大陸の発見」これが
歴史上初めてアメリカ大陸の発見
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アメリカ大陸ではなく、アメリカ海域の島々を発見
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原住民がいたので、歴史上初めてではなく、ヨーロッパ人として初めての発見
しかしコロンブスより先に、バイキングが北アメリカに達していた証拠が見つかってしまったので、アメリカ発見の手柄は無くなったとも言える状態です。
更に、コロンブスはアメリカ大陸(正確に言えばアメリカ海域の小島)にたどり着いた際に、ここは「東アジア」だと主張していました。
実際にコロンブスは発見した大陸を「インディアス」だと思い込んで探索しています。当時のヨーロッパはインド、南アジア、東アジアは一括りで「インディアス」と呼んでいた為です。このコロンブスの勘違いが「インディアン」の語源になっています。
この間違いに気づいたイタリアの航海者アメリゴ・ヴェスプッチは、『ヨーロッパ人で初めて北アメリカに到達したのは私です』と主張しました。
この主張が通ってしまい「アメリゴ」の名前に由来して新大陸は「アメリカ大陸」となったわけです。(異論もありますけど)
「コロンブス」は?
「コロンビア」はコロンブスのラテン語読みらしいですよ。
その後もコロンブスは坂道を転がり続けます。
スペイン王室からお墨付き(先住民を奴隷にする許可)をもらったものの、アメリカ大陸での植民地経営に失敗して、晩年はスペイン王室からも見放されています。
そして現代では奴隷商人のレッテルまで貼られて、コロンブスの偉業を称えると炎上してしまうほど。
個人的に奴隷制度は昔から世界各地である一つの文化でもあり、現在のアメリカ大陸を作り上げた制度なので、コロンブス一人の罪ではないと思うのですが。奴隷の扱いだって皆さん似たり寄ったりですよね。証拠は当時の絵画でたくさん残ってますよ。
まさか奴隷制度の大罪を「コロンブス一人のせい」にしたい?
最近は『黒人奴隷の発祥は日本』なんてトンでも話が出てきてるので、少し疑惑というか陰謀を感じてしまいます。
そんな訳で、今や「コロンブス」はお気軽に扱えない問題人物となってしまいました。
偉業を称えた銅像は破壊され、モチーフにした音楽は大炎上…もはや扱いが『イスカリオテのユダ』級です。
ちなみにイスカリオテのユダですが、最近(実は昔から?)再評価される動きがあります。
彼の罪は「30枚の銀貨でイエスを売り渡したこと」ですが、長らくその動機が不明と言われていました。そして最近の研究で「ユダはイエスの神格化のために行動を起こしたのではないか?」と言われています。(話が長くなりそうなので、また次の機会に)
コロンブスもいつの日か再評価される日がくるのでしょうか?
ユダのように2000年の時間が必要であれば少し可哀そうな話でもあります。